春がやってきた!
冬の寒さが緩和されて草の息吹が感じられる日本の春は、1年の終わりの3月と始まりの4月がやってきて、そわそわふわふわする季節です。
日本の春は芽の野菜がおいしいですが、それらに含まれる植物性アルカロイドによって、春の芽の野菜は独特の苦みと香りがします。
植物性アルカロイドは腎臓機能を向上させて解毒作用や新陳代謝を促進する働きがあります。
春は身の周りの変化だけではなく、体も新陳代謝が活発になり、冬の老廃物をデトックスしてくれます。
これまでのストレスや新しい環境によるストレスを流し、心身ともに健やかな状態で過ごしましょう。
春が旬の食材(一例)
筍:
苦みの素である灰汁を米の研ぎ汁や糠であく抜きをしてから使います。
デトックス作用のあるカリウム、食物繊維、チロシンが豊富に含まれています。
チロシンは筍にたまについている白い粒状の塊です。ストレスを緩めたり、集中力を高める働きをします。
菜の花:
菜の花は茹でる直前に根元を水に浸けておきます。
そうすると花と同じように水を吸ってピンとするので、その状態で根元から葉先の順で火を通します。
冷水にとって、水気を切ります。
花が開くとえぐみが増すため、蕾の時に食べるのが最適です。
定番のお浸しにしたり、パスタに入れて彩りを豊かにしたりと様々な用途で使える食材です。
β‐カロチン、ビタミンC、鉄、葉酸などビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
ビタミンCはほうれん草の4倍もあり、また鉄や葉酸も野菜の中では多く含まれているため妊娠中の方にも良い食材です。
蕗:
薄皮を剥き、あく抜きをし、冷水にとって水気を切ります。
煮物にして食べることが多く、きゃらぶきはご飯のお供に美味しく、蕗だけを煮る青煮は上品で春らしいです。
ビタミンB6、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウムが多く含まれています。
蕗にはフキノール酸やフキノリドが含まれています。
フキノール酸はポリフェノールの一種で蕗の苦み成分で、咳止め薬や花粉症の薬にも使われています。
フキノリドは蕗の香り成分で、消化を助け、胃腸を活性化する働きがあります。
桜:
桜を塩漬けにしてお祝いの席で桜湯にして飲むことが一般的です。
また、桜餅などにも使われており、最近では氷に入れたり、マカロンなど洋菓子に乗せたりと、色々な使い方をして楽しむ機会が増えました。
桜漬けは塩のみ、又は塩と梅酢で漬けます。桜の塩漬けのほのかな香りは、バニラに似た香りのクマリンと言う芳香成分で、桜の花や葉が持つ甘い匂いです。
クマリンはパセリや柑橘系にも含まれています。日本では香料としての使用は認められていません。
蛤:
平安時代に貴族が貝合わせ遊びをしていたほど古くから親しまれており、ひな祭りには蛤のお吸い物が良く出されます。
砂抜きをしてから調理します。
鉄分、タウリン、ビタミン12、カルシウム、亜鉛などが多く含まれています。
貧血を防止したり、コレステロールを下げたりする働きがあります。
春らしい献立(一例)
蛤と菜の花のお吸い物
(材料:蛤、菜の花、水、昆布、酒、薄口醤油)
ひな祭りなどの行事にぴったりな、贅沢な汁物です。
蛤の貝は対になっている貝殻以外にはぴったりと合いません。
そのため、蛤は一夫一妻の願いが込められている縁起物でもあります。
(作り方は⇒春のごちそう!【蛤と菜の花のお吸い物】で日本の季節を感じたい)
蕗の青煮
(材料:蕗、出汁、薄口醤油、みりん、酒、塩)
蕗だけを煮た、色がきれいで上品な煮物です。
蕗は下処理が必要です。
桜と筍と湯葉の混ぜごはん
(材料:桜の塩漬け、筍、湯葉、昆布出汁、みりん、醤油、白ごはん)
「季節限定 湯葉まぜごはんの素」という市販の混ぜご飯の素を使いましたが、筍が大きく桜の塩気もちょうど良かったです。
筍と湯葉をご飯にしっかりと混ぜ、最後に桜を軽く混ぜるときれいに仕上がります。
桜の塩漬けがあれば、筍の炊き込みごはんを作って仕上げに桜を入れると彩りきれいに出来上がります。
羊羹
シナトラが唄うFly Me to The Moonと同じ名前の羊羹です。
青い鳥が空を羽ばたいていて、切る断面によってなんと空の色が変わっていきます。
羊羹でありながらクランベリーやクルミが入っており、レモンやシャンパンなど色々な味の羊羹が入っている、面白い和菓子です。
薄く切って食べると、おいしくいただけます。