貧血を食事で改善しようとする場合、朝はパン派のメニュー選びはどうしたらいいのか?
パンと言っても多岐に渡る種類があって毎日食べても飽ないので、パンを朝食に食べる方も多いでしょう。
毎日食べるパンはとっておきのものではなくてきっと手軽にスーパーで買えるパンのはず。
貧血改善の視点から日本のどこでも食べられるパンの中で貧血を改善するにはどの種類がいいかを比較します。
Contents
パンの王道、食パン
鉄分:★
食パンとは?
本題に入る前に、食パンとは何か定義を確認しましょう。
「包装食パン」とは、パン生地を食パン型(直方体又は円柱状の焼き型をいう。)に入れて焼いたもので、水分が10パーセント以上のものであって、製造所で放冷又は冷却後包装し、販売のために小売店に出荷される食パンをいう。
この場合、パン生地とは小麦粉又はこれに穀粉類を加えたものを主原料とし、これにイーストを加えたもの又はこれらに水、食塩、ぶどう等の果実、野菜、卵及びその加工品、糖類、食用油脂、乳及び乳製品等を加えたものを練り合わせ、発酵させたものをいう。
(日本パン公正取引協議会より)
食パンはパン型に材料を入れて焼き、水分が10パーセント以上あるものだそうです。
小麦粉以外の穀物や果実なども主原料とするので正確にはライ麦パンなどもパン型で10パーセント以上の水分を含んでいれば食パンになるようですが、ここでは一般的に最も多く流通している小麦粉を使用したいわゆる食パンを取り上げます。
食パンの栄養は?
食パンの原材料は小麦粉、砂糖(糖類)、マーガリン、パン酵母、食塩です。あとは添加物などが入りますがメーカーや商品によって様々です。
食パン1枚の大きさやカロリーは製品によって異なります。100gあたりのカロリーは260ckalで、鉄分0.5mg、銅0.1mg、ビタミンB12 Tr(=ちょっとだけ)、葉酸32μg、ビタミンC 0g です。
残念ながら鉄分などの貧血に効きそうな栄養は低く、あまり貧血改善には適していないようです。
付け合わせのサラダやジャム、エッグなどを上手に組み合わせて鉄分を補給したいです
ずっしりと酸味のある、ライ麦パン
鉄分:★★
ライ麦パンとは?
名前の通り、ライ麦が原料のパンです。
特徴としては、パンに使うイースト菌ではなく、酵母のサワードウを使うために酸味のある味わいになります。
ライ麦を使用していることで黒っぽい色をしていので黒パンとも呼ばれます。
また、ビタミンやミネラルがバランス良く含まれています。
海外のレストランではよくサワードウとメニューに書かれていることが多く、日常的によく食べられています。
ライ麦パンの栄養は?
100gあたり264ckalです。鉄分1.4mg、銅1.3mg、ビタミンB12 0μg、葉酸34μg、ビタミンC 0g です。
栄養自体は高いのですが、鉄分の栄養を阻害するフィチン酸が含まれています。
ライ麦パンの原材料は?
ライ麦(レシピによっては全粒粉など小麦粉が入るケースも)、ドライイースト(本格的に作るとサワー種)、塩(、レシピによっては牛乳やバターが入るケースも)です。
サーモンや赤身のローストビーフなどを乗せて食べましょう。
全粒粉パン
鉄分:★★
全粒粉パンとは?
全粒粉パンは小麦粉の表皮・胚乳・胚芽を全て粉にしたものです。
殻を取ってから粉末状にしたものが小麦粉ですが、殻つきのまま粉末状にするのです。
その為、小麦粉よりも栄養が高いです。
全粒粉パンの栄養は?
米や野菜の多くがそうであるように、小麦も表面に多く栄養があります。食物繊維・ビタミン・ミネラル類が豊富です。
100gあたり258ckalです。鉄分1.2mg、銅0.1mg、ビタミンB12 0μg、葉酸17μg、ビタミンC 0g です。
栄養自体は高いのですが、鉄分の栄養を阻害するフィチン酸が含まれています。
全粒粉パンの原材料は?
全粒粉、ドライイースト、塩(、レシピによっては牛乳やバターが入るケースも)です。
チーズやハムをのっけて食べたいところですが、アボカドをのせて食べましょう。
森のバターと言われるアボカドはスーパーモデルもよく食べている食材ですが、100g当たり鉄分0.7mg、銅0.24mg、葉酸84μg、ビタミンC 15mg含まれています。
1/2個をパンの上にのせて、残りはレモンでマリネして冷蔵庫に入れておけば翌朝も変色することなく食べられます。
乳製品に含まれるカルシウムは鉄分の吸収を阻害します。(気にするほどではない)
また、ハムなどの加工食品に含まれるリンは鉄分の吸収を阻害する為、食べ過ぎには気を付けたいです。ハムやソーセージは成分を確認してから買いたいです。
レーズンパン
鉄分:★★
鉄分が摂れる食材でぱっと思いつくものと言えば、やっぱりレーズンです。レーズンは鉄分が豊富で、貧血持ちには嬉しい食材です。パン自体に鉄分は多く含まれていませんので、パンにレーズンを練りこんだレーズン×パンはおいしいだけではなく貧血解消にも良いです。
レーズンパンの栄養は?
レーズンはカリウム、炭水化物、鉄分、ビタミンB1を豊富に含んでいます。レシピによって差はありますが、100gあたり270ckalです。鉄分0.9mg、銅0.15mg、ビタミンB12 0μg、葉酸33μg、ビタミンC 0g です。
レーズンパンの原材料は?
ドライレーズン、小麦粉、ドライイースト、塩(、レシピによっては牛乳やバターが入るケースも)です。
まとめ
栄養をまとめてみました。
食パン→鉄分0.5mg、銅0.1mg、ビタミンB12 Tr、葉酸32μg、ビタミンC 0g です。
ライ麦パン→鉄分1.4mg、銅1.3mg、ビタミンB12 0μg、葉酸34μg、ビタミンC 0g です。
全粒粉パン→鉄分1.2mg、銅0.1mg、ビタミンB12 0μg、葉酸17μg、ビタミンC 0g です。
レーズンパン→鉄分0.9mg、銅0.15mg、ビタミンB12 0μg、葉酸33μg、ビタミンC 0g です。
食パン | ライ麦パン | 全粒粉パン | レーズンパン | |
カロリー | 260 | 264 | 258 | 270 |
鉄分 | 0.5 | 1.4 | 1.2 | 0.9 |
銅 | 0.1 | 0.3 | 0.1 | 0.15 |
葉酸 | 32 | 34 | 32 | 33 |
栄養が高いパン
貧血に良い栄養素を抽出して書いていますが、栄養が最も高いパンはライ麦パンです。
全粒粉パンは最もカロリーが低く、食パンと比べると鉄分は多く含まれています。
レーズンパンはレーズンがが言っている為、カロリーは最も高いですがその分栄養も高いです。
貧血にいいパン
鉄分を多く含んでいるのは、ライ麦パンです。その他の栄養も他のパンよりも多く含んでいます。
食パンよりは全粒粉パンやレーズンパンの方が栄養は高いです。
ただ、ライ麦パンや全粒粉パンには鉄分などのミネラルの吸収を阻害するフィチン酸が含まれているので、吸収率は実際は低いです。
レーズンパンや食パンに鉄分を多く含む食材をサンドして食べるといいです。
食べやすいパン
一番クセがなく、食べやすいのは食パンです。
栄養が高くなるにつれて味も個性が強くなっていきます。
レーズンパンはレーズンの甘さがアクセントになっています。
全粒粉は穀物の味わいや食感が残っています。
ライ麦パンは独特の酸味があります。